第34シーズン　第7試合

　毎回一着が入れ替わり大混戦だった
2008年シーズンもいよいよ最終戦を
迎えた。暫定首位の島和男．ｃｏｍ
選手、３位の馬場毅選手が欠場する中、
首位を８ポイント差で追う松本誠司
選手が最後の意地を見せるか、そして
安定したボウリングを見せながらも
今期ノーポイントの杉原陽一選手が
プレーオフ進出なるかに注目が集まった。
　第１ゲーム、各選手が難解なレーン
コンディションに苦しむ中、手堅く
スコアをまとめた杉原陽一選手が171点
（素点173）で頭ひとつ抜け出す。
試合前、プレーオフ進出を危ぶむ報道
陣に『千里シリーズは実況ブースで
解説するものじゃなく、出てなおかつ
勝利するものだ』と自らを鼓舞するよ
うに言い放った男の意地か。
　ところが第２ゲーム、そんな杉原
選手に意外なところから刺客が現れた。
ここまで地味にポイントを稼いで総合
４位につけていた藤原聡選手が、ハンデ
に物を言わせてわずか１点差ながらも
杉原選手をかわして一着に立つ
（素点133）。参加人数の関係で逆転
総合優勝の可能性は試合前に消滅するも、
ワイルドカードでのプレーオフ進出が
ほぼ確定している藤原選手の空気を
読まないボウリングに、会場からは
ブーイングが起こる。
　そんな荒れた雰囲気のままなだれ
込んだ第３ゲーム、最少点一着の記録
更新だけは阻止しよう（そして自分が
一着になろう）と全選手の心が一つに
なるも、ボウル曽根のレーンに惑わされ、
各選手精彩を欠いたままレギュラー
シーズンの全試合が終了した。ちなみに
競技点172点での一着は今期第２戦の
175点を下回る史上最低点。
　結果、藤原聡選手が２年ぶり６度目の
一着入賞を果たし総合２位となり、島和男．
ｃｏｍ選手は１４年ぶりのシーズン制覇
となった。試合後、藤原聡選手は
『去年今年と一着なしで終わるのは避け
たかった。試合前に３ゲーム投げ込んで
自分なりのリズムを作れたのが勝因かな』
とコメントを残した。
一方、島和男．ｃｏｍ選手は自身のブログ
で『厄年明けの年を飾るにふさわしい
結果を残せて光栄に思います。この勢い
で前回セルシーに置き忘れていた千里
シリーズのタイトルも取りに行きます』と
コメントした。